Life Cafe No.65
11/16

11リラックスカフェRelax cafeくつろぐこと。ゆったりとした気分になること。をテーマに当カフェからのご提案。今回はブックカフェという選択。取材協力:TEAL GREEN in Seed Villagehttp://teal-green.com気分転換をしたいと思い、本を読む。傍らにティーカップとポット。誰もが思い浮かべそうなイメージ。そんな至福のとき、どんな本を読んでいるのでしょう。本棚から好きな本を選び出し、本を読みながら飲食ができるというブックカフェ。カフェ機能・客席のスペースを確保するために一般的な書店より冊数は少し絞られていますが、日頃あまり読書をされない方にはむしろ選びやすいかも知れません。また、本のチェーン店タイプであれば、マーケティングが行き届いており、本の回転も速く、常に最新刊や話題の本を読むことができるのが魅力です。一方で、本好きの店主が始めたというこだわりの店もあります。こちらは店主の趣向が反映されて、少しディープな世界を味わうことができます。今回訪れたのは、絵本の店。子供の頃に読んだ作品に再会。もう一度読みたいと思うことでしょう。絵本を読むのに決まりなどありません。ストーリーから忘れかけていた大切な事を思いだしたり、価値観の多様性に気づき抱えている悩みがたわいのないことに思えたり。詩に感動したり、言葉のリズムに癒されたり、絵画自体を楽しむことも。きっと大人なりの絵本の読み方が見つかる事でしょう。「カフェと、絵本。」ちいさいおうちバージニア・リー・バートン/文・絵石井桃子/訳 岩波書店 本体640円はっぴぃさん荒井良二/文・絵偕成社 本体1,300円HOMEJunaida/絵サンリード 本体1,800円星の王子さまサン=テグジュペリ/文・絵内藤濯/訳 岩波書店 本体1,600円山の上の大きな石の上に時々きて、困ったことや願いごとを聞いてくれるというはっぴいさん。はっぴいさんに会いにいくのろのろの少年とあわてんぼうの少女。欠点が見方を変えると長所になることに気付かせてくれる美しい絵本です。ページを繰るたびに現れるそれぞれの「HOME」。言葉がない絵本ですが、色鮮やかで美しい絵を見ていると、それぞれのストーリーが浮かんできます。見る者の想像力をかき立てるとともに家族の温もりが愛おしく思えます。静かな田舎に立った一軒のちいさいおうちを中心に、移り変わる歳月の流れ、家のまわりの環境の変化がみごとに描かれています。ちいさいおうちを取りまく風景から私たちは多くのことを感じることでしょう。「たいせつなことはね、目にみえないんだよ……」のことばで有名なフランスの童話です。かつての子どもごころをとりもどすべく大人にこそ読んでほしい不朽の名作です。 

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る