Life Cafe No.65
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パン巡りは、自転車に乗って暮らしにゆとりをもたらす乗り物目的を持たずに乗るのもいい被らないよう、パン屋さんは少し離れた立地に出店しているもの。この“少し離れた距離”を自転車に乗っていくのが醍醐味であり、このお店の提案する自転車の楽しみ方。歩いて行くのは少し遠いし、車だと停める場所などが気になりますが、自転車ならば安心です。このイベントのように自転車で自分のお気に入りのパン屋さんを巡るなどして、日常にささやかな楽しみを見出してはいかがでしょうか。 街乗りの自転車を提案するこのサイクルショップが、おすすめするもう一つの楽しみ方。それは何も目的を持たずに自転車に乗ることです。“パン巡り”のように、お店を点と点でつないでいくこととは全く逆かもしれません。自転車に乗って移動していると、車での移動や電車に乗っていては気づかなかった道、あるいは建物や風景など、いくつもの発見があります。自然や草花の香りも直接感じることができるはず。四季の変化にも、自転車に乗っていればきっと敏感になることでしょう。 また、自分でいいなあと思う景色に出会ったら、走るのを一旦止めて、写真を撮ってみるのもよいでしょう。歩くほどゆったりではなく、車で移動するほど速くもない。自転車ならではの心地よいスピード感に五感も程よく刺激され、新たな発見や喜びがきっとあるはずです。 東京・高円寺駅から徒歩5分ほど。古着屋などのある界隈を抜け、喧噪から抜け出した、少し落ち着いた雰囲気のエリアにそのサイクルショップはあります。コーヒーショップが併設された店内は、カラフルな試乗車が店の外に並んでいるほか、小物やスニーカーも商品として並び、まるでセレクトショップのよう。自転車をライフスタイルの一環として捉えているお店の姿勢が伝わってきます。自転車を単なる乗り物としてではなく、毎日の暮らしにゆとりをもたせてくれるアイテムとしての位置付け。このような空間から発信される、自転車に乗ることの新たな価値=楽しみ方とはどのようなものなのでしょうか。 通勤・通学や日常生活のためなど、単なる移動手段として扱われることが多かった自転車。しかし現在では、このサイクルショップが提案するように、街を楽しく散策するための重要なツールとなっています。 例えば、美味しいモノ巡りなどには自転車が向いています。このお店では、杉並区とその周辺にある7軒ほどのパン屋さんを自転車に乗って巡る“パン巡り”のイベントが開催され、参加者からも好評を得ています。どの地域でも商圏エリアが3

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